草々草子

全略出来ればどんなによかったか。

伽哩工船

おい地獄さ行ぐんだで!と呼ばれず飛び出ず特に豪勢な効果音をも伴にせず、私が文字を書いています。何某、名前の無い普通の人間です。

さて私がここ2か月ほど、非正規労働に勤しんでいた事をご存知の方はいらっしゃらないと思います。私の普段の言葉をそこまで熱心に読んでいる方がいるとすれば、是非その不法投棄物の観察にさえ注げるほどの有り余る暇と労力、並外れた集中力を自らの成功のためにお使いください。ノーベル賞を約束します。ついでに記念品のダイナマイトで吹っ飛ばしてくれねえかなあ。

私の中でノーベル賞が爆薬配布イベントだと思われている事を世間の皆様に「無知」という一言で片づけて頂きながら、本題へ。先月私は友人に「俺が入ったカレー屋のバイトに来てくれないか、オープンから日も浅く人が足りないんだ」との話を受けまして、他2人連れ発ってとりあえず面接へ。即採用が決まりました。

その後それなりに働いていましたが、つい先日。簡潔に、一言で、さっぱりと言えばクビを切られました。どうやら仲間内4人の中で他2人が「使えない」という印象であったらしく、「その場のノリと勢いで全員クビだと言ってしまった」らしいです。中々素晴らしい神経をしていると思います。いや、終電に間に合うよう上がる時間を調整して下さいと言えば「やる気がないなら帰れ」と、会話のドッチボール、幾重にも曲解と深読みを重ねた頭脳戦を雇用主と繰り広げる毎日は実際消耗することこの上なかった故に有り難いと言えば有り難い事ですが。

中身を端折っている感は否めませんが、特定の後営業妨害で訴えられることは避けたい故に中身の俗に真っ黒な雇用環境については口を噤んでおきます。嘘です、眠気が10割です。

未だ5月分の給料すら出ていませんが、小麦粉を水に溶いて塩を振ったものを焼いて食べる生活はいつまで続くのでしょうか。貧乏人は蟹を諦め蒲鉾で代用をしますが、何故私はカレーの代用を通り越してナンもどきで胃の腑を満たさねばならないのでしょうか。

そう思えば何も私のバイト先に限らず、この世全てが蟹工船ですね。だって毎日人が死にます。よい地獄を。