草々草子

全略出来ればどんなによかったか。

散文クッキング

今週のお題「給食」

らしいです。私には語るべき話題というものに持ち合わせがなく、「記念すべき第一回にて打ちきりか」などと感慨に浸って、いませんでしたが、そんなブログにすら適正のない私に救済の手が差し伸べられました。

してはてなブログから提供頂いたお題は「給食」。小中学まではほぼ皆勤を貫いた生粋のマニュアルボーイであった私には馴染み深い文化であり、またその文化には献立の重要性が欠かせません。間違って揚げパンなどが並んだ日には教室中が狂喜乱舞、まさにこの世の地獄を体現したようなおかわりの争いが繰り広げられ、翌日の献立がミルメークであることが判明すれば、クラス内にて貧弱も貧弱カースト最下位のナードであった私には「明日は絶対に休め」という日本刀並みに鋭い視線が背中に刺さったものです。

さて、そんな毎日の中「給食の献立を考えよう」というコンテストが授業にて開催されました。なんと優秀者にはその献立を会議で提案してくれると。これはやるしかない、私は思いました。というのも私はかねてより一つだけ給食に不満があり、それは「ハンバーグのクオリティが低い」というもの。三度の飯より飯が好きで、更にはもっと言えばハンバーグに首っ丈どころかどっぷり浸かりすぎて溺れているくらいの私としては、9割嘘ですが、これは是非とも平日の昼間に優雅に美味しいハンバーグを食べられたら至高だと。かくして牛乳と白米以外の全てのコストを削り捻出した自信作「松阪牛スペシャルランチ」は完成しました。

その身と紙面に食欲一つ引っ提げて向かった末、我らが担任の放った台詞は「ふざけているのか」でした。コスト面においてどれだけ私の考えが甘いのか、語られました。やるならもっと現実的なプランにしろ、と。

私は考えました。やはり一番はコスト、先の「いかに日々栄養士さん達がバランスを考えてくれているのか」という担任のお説教により、年上の言うことを全てを鵜呑みにするタイプであった私は栄養士さんに対する申し訳なさで一杯で、いや正直ハンバーグの夢が霧消したこと以外考えていませんでしたが、涙に目をためて、体を震わせて、この世に存在する肉の中で私が考える一番安価で手に入りやすい材料に書き換えました。

「ぼく」

担任にはついに殴られました。今からハンニバル・ライジングを観ます。